| シチズンがクリーンエナジーである「太陽光」に目をつけたのは1970年代であり、多くの企業よりも「先」に行っていた |
シチズンは一貫したポリシーを持ち、それを実践してきた数少ない企業のひとつでもある
さて、ときどき「とんでもない」高性能な腕時計を発表するシチズン。
ほとんどの人が知らないと思いますが、1000万円クラスのフライングトゥールビヨンを発売したりという不可解な行動を取ることがあり、そしてなぜか「アナログ」に強いこだわりをもっていて、カシオ(G-SHOCKやプロトレック)ではデジタル表示とするところを無理やりアナログで表示することも多く、(下の画像のように)「これは老眼の人は読めんじゃろ・・・」といった製品を発表したり。
一時はデジタルをラインアップしたり、デジアナを多数揃えていたものの、今ではデジタル表示を縮小する傾向にあり、そのラインアップの多くがアナログへと移行しつつあるように思います(先代アルティクロンもそうだったが、”針をもって直感的に情報を示す”ということにシチズンはなみなみならぬ情熱を注いでいる)。
今回は満充電で「365日動き続ける」驚異のEco-Drive 365を発表
そんな(いい意味での)変態腕時計メーカー、シチズンが今回発表したのが「Eco-Drive 365」シリーズで、これは何かというと「一回満充電すれば、365日動き続ける」というにわかに信じられないような高性能光発電ウォッチ。
もともと「Eco-Drive(エコドライブ)」というのはシチズンの誇る光発電機能で、光を腕時計に当てることでソーラーセルを経由し2次電池に蓄電し、その電力をもって針を動かすというシステムであり、当初の「200時間」から徐々に駆動時間を伸ばし、今回ついに「365日」に達したわけですね。
ちなみにシチズンが「クリーンで無限」である太陽光に着目したのは1970年代のオイルショックの時代だといい、初代エコドライブ腕時計は1976年に誕生しています。
参考までに、一部未開発の地域では「(現在でも)電池が手に入らない」場合があり、よって(発電できない)電池交換式クオーツ腕時計は電池が切れると使い物にならなくなってしまい、そういった地域では手巻き式や自動巻き腕時計が好まれるといいます。※安価なセイコーの自動巻き腕時計が海外マーケット専用として流通しているのもこれが理由である
そしてシチズンはその社名(市民を意味する)の由来でもあるカンパニーポリシー、「市⺠に愛され、市⺠に貢献する」を実現すべく、電池交換が不要で(手巻きや自動巻きに比べて)正確な時刻を示す光発電腕時計を開発し、世界中の人々に腕時計を届けたいと考えて今までずっとその技術を磨き続けたわけですが、現在このエコドライブはシチズンのコアテクノロジーとなっており、そして時代は「エコ」「サステイナブル」が声高に叫ばれるようになっていて、まさに当時のシチズンの人たちは「先見の明があった」のかもしれません。
シチズン Eco-Drive 365はこんな腕時計
そして今回シチズンが発表し、2023年秋に市場へと投入されるのが「Eco-Drive 365」。
まずは3種類からはじまり、こちらは「BN1015-52E(63,800円)」。
こちらはBN1014-55E(58,300円)で、上のモデルとはカラーフィニッシュやダイヤルの仕様違いということになります(DLC加工のぶんだけ高価なのだと思われる)。
そしてこちらは限定モデルのBN1010-05E(110,000円)。
ちょっとレトロな雰囲気を持っていて、これはシチズンが1973年に発表した「E・F・A」にインスパイアされているといい、インデックスには4個のラボグロウン・ルビー(クレサンベール)がセットされるというレトロかつラグジュアリーな雰囲気となっています。
デザイン的にはぼくが通常好むタイプの腕時計ではありませんが、上述のようなシチズンの一貫したコンセプトには共感できるものがあり、それをずっと突き詰めてきた究極系がこの腕時計であるのだと考えると、「一本持っておいてもいいのでは」と思ったりする今日このごろです。
https://www.aimaye.com/
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